多文化Q&A


多文化共生センター東京は、教育、生活に関わる相談を行っています。
ここでは、蓄積した情報などをQ&A形式で提供します。
 

Q  高校に入りたいと思っていますが、高校はどれくらいお金がかかりますか? あまりお金がないのですが、奨学金などはありますか?
Q  妊娠したようですが、どのような手続が必要ですか。→A1
 出産にはたくさんお金がかかると聞きました。よい方法はありませんか。→A2
 また、出産後の手続にはどのようなものがありますか?→A3
Q  私は、日本人と結婚して日本に住んでいるフィリピン人です。3年前から夫が、暴力を振るってきています。私には小学校1年生の子どもがいるのですが、一緒に逃げ出すにはどうしたら良いですか?
Q

 妻から離婚をしたいといわれました。妻と話し合いを何度もしましたが、妻の意思は固いようです。子どもがいるし、離婚したくないのですが、どうしたらいいでしょうか?

Q  2年間住んだ部屋を先日引っ越しましたが、敷金(120,000円)が戻ってきません。家主さんの話では、「トイレや風呂場がひどく汚れているし、壁紙を取り替えなければならないから」とのこと。どうしたらいいですか?
Q  日本人男性と離婚しました。前夫には借金があり、養育費をれてくれません。3歳の子どもがいるのであまり働けず、子どもの医療費などにもお金がたくさんかかるので、生活がとても苦しいです。どうしたら良いでしょうか?
Q  私は日本人女性と結婚し、配偶者ビザを持っています。日本語が読めないため、離婚届けとは知らずにサインをしてしまいました。妻にだまされたようですが、私は離婚したくありません。このまま、日本で妻と子どもと一緒に生活していくにはどうしたらいいでしょうか?
Q  フィリピンの高校を卒業してから日本に来ました。今18歳です。日本語はひらがな程度しか分かりません。日本の大学に行きたいのですが、どうしたらいいですか?

 

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Q  高校に入りたいと思っていますが、高校はどれくらいお金がかかりますか? あまりお金がないのですが、奨学金などはありますか?
A

 公立の高校は、合計すると1年間でおよそ25〜30万円かかります。東京都の都立高校では、授業料は全日制で年間115,000燕、定時制で31,200円(2005年4月現在)ですが授業料以外にも、制服代、交通費、教科書代、副教材費、体操着代、靴代、その他毎月払うお金(PTA会費、生徒会費、教材費、積み立て金など)がかかります。私立高校では、1年間でおよそ100万円〜200万円かかります。

 都立高校では保護者の収入によって、授業料が安くなるか、または払わなくてよい場合があります。担任の先生か事務室に相談しましょう。

 また、働いている定時制の生徒の場合、教科書代や給食費の補助金が出ます。

 奨学金は返さなければならないものと、帰す必要のないものとがあります。いろいろな種類の奨学金がありますので、くわしくは学校の担任の先生や事務室で尋ねてみてください。


【奨学金の例】
・日本学生支援機構(利子がつくものとつかないものがあります) 03-3269-4261
・カトリック・マリア会・セント・ジョセフ奨学育英基金(返済不要) 03-3286-8527
(住友信託銀行東京営業部公益信託事務局)
・東京労働者福祉基金協会(返済不要) →学校の教職員組合の先生に相談してください。

 

Q  妊娠したようですが、どのような手続が必要ですか。→A1
 出産にはたくさんお金がかかると聞きました。よい方法はありませんか。→A2
 
また、出産後の手続にはどのようなものがありますか?→A3
A

A1.
  市販の妊娠判定薬(尿で検査をする。薬局に売っています)で確認し、陽性反応が出れば必ず産婦人科を受診し、確定診断を受けてください。母子健康手帳を取りに行くよう指示がありますので、東京都(23区)に住んでいる方は区の保健センター、それ以外の方は市町役場で母子健康手帳を交付してもらってください(無料です)。日本語以外の母子手帳も発行されていますので、希望の方は交付のときに相談してください。母子健康手帳は外出のときにはかならず持ち歩くようにしましょう。
 妊娠中は定期健診に通う必要があります。母子手帳には健診の無料券(1回または2回分)が綴じこまれていますので、相談して利用してください。まずは保健センターまたは市町役場で相談しましょう。

A2.
  入院助産制度(指定の医療機関で低額で出産入院することができます)や母子栄養食品の支給など、収入が低い人を支援する制度があります。また、健康保険加入者には、『出産育児一時金』の給付の制度があります。現在30万円ですが、近々35万円に引き上げられる予定です。出産育児一時金は死産や妊娠85日以降の流産の場合でも給付されます。

A3.
  生後14日以内に子どもの名前を決めて区役所・市町役場に『出生届』を出します。外国籍の人の場合はその他に在留資格の申請(生後30日以内)、外国人登録(生後60日以内)をする必要があります。また親のどちらかが日本国籍の場合、日本国籍をとることができます。

 

Q  私は、日本人と結婚して日本に住んでいるフィリピン人です。3年前から夫が、暴力を振るってきています。私には小学校1年生の子どもがいるのですが、一緒に逃げ出すにはどうしたら良いですか?
A

 日本には「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(別名 DV防止法)」というものがあり、被害者と被害者の子どもは、国に守られる権利が保障されています。

 緊急ですぐにでも逃げる場合は、@警察へ110番電話をして保護されてから一時保護施設に行く  A民間団体のシェルターに逃げ込む、の2つがあります。一時保護施設やシェルターでは、衣・食・住を提供するのでお金がなくても逃げることが可能です。家を出る際には、自分と子どものパスポート、外国人登録証、現金、通帳とカード、印鑑、緊急連絡先の電話番号や住所録、あなたと子どもの大切なものなどを夫の気がつかないところに保管しておき、すぐに持ち出せるように準備しておく事が大事です。

 また、逃げるかどうか悩んでいる人は、民間シェルター、役所の母子相談員・婦人相談員や福祉事務所、市民グループ、女性センター等があるのでひとりで悩まずに相談してみて下さい。

 保護される期間は、一時保護施設は2週間・シェルターには長くて1ヶ月です。暴力から離れ、安心してこれからの生活や子どもについて、相談員と一緒に考えることができます。


 逃げた後の生活の例としては、生活保護を受けてアパートを借りることや、親権を取得した後に在留資格の切り替えや在留資格の再申請を行い、日本で働きながら子どもを育てていくことも可能となります。多言語で対応できる民間団体もあるので、相談してみて下さい。


● 女性の家"HELP"(英、タイ、タガログ、中国)  03−3368−8855
● 女性の家サーラー(英、タイ、スペイン、タガログ、ポルトガル、韓国・朝鮮) 045−901−3527

 

Q  妻から離婚をしたいといわれました。妻と話し合いを何度もしましたが、妻の意思は固いようです。子どもがいるし、離婚したくないのですが、どうしたらいいでしょうか?
A

 二人の間で決着つかないのであれば、家庭裁判所へ調停を申し立てるという方法があります。
 裁判所というとなにか裁判官が命令をくだす場のように聞こえるかもしれません。しかし、調停は話し合いをする場です。調停委員という専門家が夫婦の間に入って、仲介をしてくれます。夫婦関係調整調停には、元の円満な夫婦関係を取り戻すための「円満調停」と、離婚に向けての真剣や慰謝料などを話し合う「離婚調停」の2種類があります。ただし、あくまでも話し合いの場ですので、調停では決着がつかなかったら、審判、裁判という手段に進む事になります。
 調停を申立てるには、まず以下の書類を用意してください。


@収入印紙1,200円
A連絡用の郵便切手(申立てをする家庭裁判所へ確認してください。)
B申立書1通(申立書は裁判所のホームページからダウンロードできます)
C夫婦の戸籍謄本1通(※事案によっては,このほかの資料の提出を要求される場合があります)

 上記書類を相手方の住所地の家庭裁判所又は双方合意で定める家庭裁判所に送付してください。郵送でもうけつけてくれます。1ヶ月程度で裁判所から通知が届きますので、通知に指定された日に家庭裁判所に出廷することになります。


Q  2年間住んだ部屋を先日引っ越しましたが、敷金(120,000円)が戻ってきません。家主さんの話では、「トイレや風呂場がひどく汚れているし、壁紙を取り替えなければならないから」とのこと。どうしたらいいですか?
A

 敷金は、全額返金が原則です。しかし、実際の慣習や契約では、敷金から掃除代や修理代、さらに、貸主へ支払うべきお金が残っている場合は、これらを敷金から差し引いて返還されます。

 そこで、まず、契約書をよく読みます。敷金を返すときの条件が付いているかを確認します。例えば、「退去時、敷金よりルームクリーニング代として30,000円を償却する」などです。これらの条件が書いてあるときは、「一応」その条件が有効です。ただし、ほとんどの契約書は、何でもかんでも書いてあることが多いので、修理代など、掃除代以外のお金を引かれるときは、とくに注意が必要です。

 つぎに、引越し当日、汚れているところや壊れているところを貸主と一緒に確認し、おおよその敷金返還額を教えてもらいます。その場で金額が分からない場合でも、費目は分かるはずです。できるかぎり教えてもらいましょう。

 3つ目に、貸主が差し引くお金が思ったより多い場合は、貸主に相談しましょう。それでも解決しない場合は、最寄りの相談機関に相談しましょう。

 このケースでは、トイレや風呂場の汚れについては、おそらく契約書に掃除代が書いてあることが多いので、汚れの程度にもよりますが、敷金から掃除代が引かれることが多いです。また、壁紙については、これも個別のケースによりますが、これは敷金から引くことが不当であることが多いようです。

 最後に、2点。ひとつは、敷金の問題は、部屋を出るときではなく、新しい部屋に引っ越したときが大切です。新しい部屋に引っ越したら、すぐに部屋をチェックして、壊れているところやひどく汚れているところがあれば、貸主に報告しましょう。もう1つは、敷金の返還は、日頃の貸主との信頼関係が大きく影響します。日頃から貸主とは仲良く付き合うことが大切です。


POINT: 相談機関:霞ヶ関の法律扶助協会(Tel:03-3580-2851)など。また、東京のお部屋(住宅)の場合、「賃貸住宅紛争防止条例」が適用される(2004年10月1日以降の新規契約の場合)ので、より敷金が返還されやすくなります。


Q  日本人男性と離婚しました。前夫には借金があり、養育費をれてくれません。3歳の子どもがいるのであまり働けず、子どもの医療費などにもお金がたくさんかかるので、生活がとても苦しいです。どうしたら良いでしょうか?
A

 行政には収入が少ないひとり親家庭への様々なサポートがあります。例えば、お金がもらえたり、借りられたり、病院のお金が安くなったり、バスや地下鉄が無料で使えたり、公営住宅に入りやすくなったりします。地域の行政によって制度が違うので、詳しくはあなたの住んでいる地域の区役所・市役所などに相談して下さい。

*ひとり親への助成(一部抜粋・東京都の場合)*
  児童育成手当・・・子どもが18歳になるまで月13,500円(年3回受取り)(東京都)
児童扶養手当・・・子どもが18歳になるまで月〜41,880円( 〃 )
児童手当*・・・子どもが6歳になるまで月5,000円( 〃 )
ひとり親家庭医療費助成・・・子どもが18歳になるまで親子の医療費が10%になる都バス・都営地下鉄・都電無料乗車券(東京都)


このような制度を使っても、生活に困っている場合は、生活保護なども考えられます。
あなたの住んでいる地域の福祉事務所に相談してみて下さい。

 

Q  私は日本人女性と結婚し、配偶者ビザを持っています。日本語が読めないため、離婚届けとは知らずにサインをしてしまいました。妻にだまされたようですが、私は離婚したくありません。このまま、日本で妻と子どもと一緒に生活していくにはどうしたらいいでしょうか?
A  離婚届が役所の戸籍係に提出されていない場合は、離婚不受理申出という制度があります。これは、本人の意思に反して離婚届が出されても、最長6ヶ月受理されることを防止する制度です。この申し出は原則として本籍地のある市町村に申し出する必要があります。外国人同士の場合は、戸籍がないので、不受理制度は適用されませんが、あなたの場合は配偶者が日本人なので、相手の本籍地の市町村に離婚不受理申出を出してください。

 すでに離婚届が役所の戸籍係に提出されてしまった場合は、家庭裁判所に協議離婚無効確認の調停を申し立てます。相手が非を認め、離婚無効の原因について争いがなければ、合意に相当する審判がだされます。審判後2週間以内に、審判に対して異議の申し立てがあると、審判は無効となります。このような場合や調停不成立の場合には、配偶者の住所地の地方裁判所に「離婚無効の訴訟」の訴えを提起して、離婚の無効を確認してもらいます。いずれにせよ、一人で上記の手続きを行うのは非常に難しいので、弁護士などの専門家に相談してください。


Q  フィリピンの高校を卒業してから日本に来ました。今18歳です。日本語はひらがな程度しか分かりません。日本の大学に行きたいのですが、どうしたらいいですか?
A
 フィリピンでは小学校から高校までの年数が10年なので、フィリピンの高校を卒業しても、そのままでは日本の大学の入学資格は得られません。日本の大学に入学するには、主に以下の方法が考えられます。
1.


「大学入学のための準備教育課程」の指定を文部科学省より受けた日本語学校へ入学する。都内には9校あり、1年・1年半・2年のコースがあります。費用は、一番安くて1年間で60万くらいかかります。
2.



ある程度の日本語が出来る場合は編入試験(4月のみ)を経て、定時制高校や、単位制高校への進学が考えられます。単位が上手く変換できれば、1〜2年で卒業できます。希望する学校に問い合わせてみてください。ただし、この場合、大学進学の際は留学生に当てはまらない大学も多いです。
 日本語学校に入るか、高校に入るかは、あなたの性格や将来設計、家族の財産面などにもよるのでよく考えて決めてください。必要でしたら当センターでも相談に乗ります。

*POINT


初等・中等教育がフィリピン・ネパール・パキスタンなどは10年、マレーシア・ペルーなどは11年で、合計12年間の教育を受けないと日本の大学入学資格は得られない。